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海外展開は、自前で行った方がいいのか?M&Aによる方がいいのか?



海外展開は自前(グリーンフィールド)で行った方がいいのでしょうか?それともM&Aによる方がいいのでしょうか?それともJVによるものがいいのでしょうか?


今回は、この点について分析してみます。


まずは、海外への自前投資(グリーンフィールド投資)とM&Aの件数と額の傾向からみます。



グリーンフィールド投資は実はリスクが高い


経済産業省「我が国企業による海外M&A研究会」報告書によると、グリーンフィールド投資の件数は、年間約1000件。一方、グローバルM&Aは約500件と半分です。


しかし傾向としては海外M&Aは増加傾向になるのに対して、グリーフィールド投資は微減傾向にあります。


金額で見るとその傾向は顕著で、グローバルM&Aの6割程度しかありません。


傾向から見る限り、グリーンフィールドの投資が、M&Aよりもうまくいっているようには見えません


足掛かりのないところに、ブランド力があったとしても、一から事業を構築するのは大変です。一ができるのは色々な偶然と外部環境とのタイミングの一致があるからです。


筆者の経験からも、買収先でもグリーンフィールドで本業と似たサービスを立ち上げましたが、結局スケールせずにそのサービスは終了となりました。


少なくとも、一や十になり、プロダクト・マーケット・フィットが見えた段階で買収した方が「売上期待値x成功確率/投資金額」は高くなります。



成功確率で見てもM&Aに軍配が


次に、正確な比較ではありませんが、成功確率で見てみましょう。


中小企業白書によると、日本企業の新規事業の成功確率は29%。大手企業ですともう少し高い確率かもしれませんが、海外でのグリーンフィールド投資になると確率は減るのでその程度と言えます。


一方、日本企業のグローバルM&Aの成功率は37%(経済産業省「我が国企業による海外M&A研究会」報告書)。グローバルM&Aの成功確率が高いというのは意外です。


中小企業の新規事業成功確率 29% vs グローバルM&A成功確率37%


グラフ:中小企業の新規事業成功確率(中小企業白書2017)

この数字をみても、やはりM&Aの方が確実のようです。


もちろん、買収ターゲットのない新しいビジネス、既にグローバルでクライアントがいる中で現地法人や工場を作るといった場合にはグリーンフィールド投資の方が適しています。


しかし、テクノロジーの進化が早く、競合や競争もそれなりにある場合には、M&Aによる参入の方が圧倒的にリスクが少ないと言えるでしょう。


 
 
 

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